モンカイには船用のイミグレーションの他に、陸路のイミグレーションがある。そして、その陸の国境は、街中からバイクタクシーで約5分のところにあった。大型トラックの往来が激しく、ドライバーたちにとっては日常のことなのか、まるで単なる信号での停止のように、国境ゲートを越えていく。バイクタクシーのドライバーも、当たり前のように中国側からの客を待つ。さすがに国境を警備する人たちの顔は厳しいが、私は少しばかりの緊張と共に、中国へ向けて出発した。
ベトナムの出国審査では、空港で行われるような審査台はなく、病院での支払い窓口のようなところで手続きが行われる。書類のチェックやパソコンへの入力は3人がかり。なのに空港よりも時間がかかり、このままベトナムから出られないのではと心配になるが、ようやくパスポートに判子が押され、何事も無く一安心。
中越友誼大橋の上から。
この陸上の国境は、川に架かった橋がその通路となっており、橋を渡った先はもう中国の町「東興(とうこう)」。ベトナム側の出国ゲートを出ると、橋の向こうに巨大な中国の入国ゲートがそびえ、橋の中央には白と赤の線で国境線が引かれていた。行きかう人々は、その線を見ることもなく越えていく。しかし、この線を一歩でも越えるとそこは中国。ベトナムと中国の時差は1時間。たった一歩でのタイムスリップだ。私はゆっくりとその国境線を踏み越えた。中国ゲートに書かれた文字が次第にはっきりし始めると、その向こうに行き交う中国の人々の姿が見えた。ここから先は違う国。私は国境を越えたのだ。今、この橋の上で。
目指すは遥か大陸の向こう | 海を越え国を渡る1
海を越え国を渡る2 | ベトナムに融け合う大陸1 | ベトナムに融け合う大陸2
いざ国境を越え中国へ1 | いざ国境を越え中国へ2
山を抜け国を渡る1 | 山を抜け国を渡る2 | 風と共に国を行く
中国国境の旅トラベルインフォ
スケッチトラベルで行く中国国境の旅
モンカイ2泊3日の旅 -日帰りランソンの旅
(2005年5月13日 金曜日 9:03JST更新)
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