一人ひとりに合わせた個別治療が可能 在宅ケアで回復が見られるケースも

一人ひとりに合わせた個別治療が可能 在宅ケアで回復が見られるケースも
症例
89歳女性。糖尿病、高血圧、腎不全、転移性がん、皮膚真菌症を同時に患い、著しい衰弱で歩行が困難な状態。他病院の集中治療室を退院後、胃ろう(経鼻胃管)による栄養摂取、尿失禁があり、寝たきりで会話も不可能のため訪問診療・在宅治療を開始。

高齢者の多疾患併存
通院が困難な場合の対応は

複数の基礎疾患を抱える高齢の患者さんにとって、病院への移動は負担となり、場合によっては不可能なこともあります。今回のケースでは、ICUを退院したばかりで非常に重い状態だったため、自宅で治療を行うことが最も合理的な方法でした。

受け入れにあたり、担当医が直接自宅を訪問して診察し、総合的に評価しました。担当医以外の医師も交えて検討を行い、最も適した治療方針を立てるとともに、ご家族のニーズや希望にも耳を傾けた上で、治療・ケア計画を作成しました。

それに沿って、看護スタッフは血糖と血圧の管理や腎機能のモニタリング、皮膚真菌症の処置、経管による栄養管理、運動機能のリハビリテーションを行っていきました。

在宅ケアで目覚ましい回復
半年後は自力で食事をとり、歩行も可能に

医師・看護師・家族の緊密な連携により、半年後には患者さんの状態は著しく改善しました。最も喜ばしいのは、経管栄養から離脱し、スプーンを持ち、口から食事を摂れるようになったことです。 

これは当初から見て、目覚ましい進歩でした。さらに、軽く支えれば歩けるようになり、周囲とのコミュニケーションも可能になりました。

在宅ケアは費用負担の軽減だけでなく、一人ひとりに合わせた治療が可能です。さらに、ご家族のそばという慣れ親しんだ環境で過ごせることも、回復を早める重要な要素です。

重度の多疾患を抱えていても、体系的で継続的、真心のこもった在宅ケアによって、驚くべき回復を遂げ、生活の質を取り戻せる場合もあります。

Information

東京ファミリークリニック
ディエップ・ティ・ミー・リン医師
(家庭医療科専門医)

ホーチミン市医科薬科大学を卒業後、7年間にわたり、小児から成人まで、急性疾患・慢性疾患の診療および在宅医療に従事。「治療より予防を重視する」という理念で生活習慣などの改善もサポート。
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