ベトナムでは感染率が高いピロリ菌 定期的な検査で胃の状態を把握しよう

ベトナムでは感染率が高いピロリ菌 定期的な検査で胃の状態を把握しよう
症例
40代男性が、慢性的な胃の不快感と膨満感を訴えて来院。当初は刺激の強い食事やストレスによる一過性の胃炎も疑われたが、胃カメラ検査で慢性的な萎縮性胃炎を認めた。検査の結果、ピロリ菌陽性と診断し、除菌治療を開始した。

胃がん発生リスクを高める
ヘリコバクター・ピロリ菌

ピロリ菌は、胃の強い酸の中でも生き残ることができる細菌です。主に幼少期の経口摂取によって胃粘膜に棲みつきます。この菌が長期間存在し続けると、胃に持続的な炎症を引き起こし、「慢性胃炎(萎縮性胃炎)」を進行させます。

日本では感染率が低下してきていますが、ベトナムはまだ非常に感染率が高い地域の1つです。自覚症状がないことも多いですが、胃の痛み、もたれ、膨満感がある場合は注意が必要です。

放置すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、さらには胃がんの発生リスクを大幅に高めることがわかっています。胃がんの多くはピロリ菌感染と関連しており、とくに萎縮性胃炎を伴う場合には、胃がんリスクが高いです。

感染すると自然消滅しないため
早期の発見・除菌が鍵

まずは感染を呼気検査、便中抗原検査、内視鏡検査などで確認します。除菌治療自体は抗生剤や胃酸の分泌を抑える薬の内服で行います。

1回目の除菌成功率は約80%とされますが、ベトナムには抗生物質に耐性を持つ菌も存在するため、専門医の指導のもとで適切な薬剤を選択し、確実に飲み切ることが重要です。除菌に成功すれば、胃がんのリスクが下がり、次世代への感染も防げます。

ピロリ菌は一度感染すると、ほぼ自然消滅することはないため、日本ではピロリ菌が見つかった場合は、除菌治療を行うことが最大の予防策とされています。

定期的な健康診断で胃の状態を把握しておきましょう。

Hanoi French Hospital
友成 暁子 医師
(消化器内科専門医)
2007年千葉大学卒業。亀田総合病院で卒後臨床研修後、同院消化器内科、手稲渓仁会病院消化器内科、2015年上海パークウェイヘルス消化器内科、2020年から同院部長を経て現職。
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