メディカルトーク　子どもが発症しやすい亀頭包皮炎 成人の場合は性感染症が原因に

症例

5歳男児、オシッコすると痛いと言うため来院。ペニスの先端が赤く腫れ、尿道口に膿が付いている。処方に加えて自宅での手当てを説明。数日後の再診で症状の軽快を確認し、今後のケアについて話し合った。

子どもの触ってしまう癖に注意 定期的に親がチェックして

男性器の先端、いわゆる亀頭と、それを包む包皮との間に炎症が起きた状態です。もともと子どもは包茎が正常で、小さい頃は剥こうとしても亀頭が出ないことも多く、包皮の内側に垢が溜まりやすいのです。症状はかゆみで始まり、ひっかくと悪化して包皮が赤く腫れ、排尿時に痛んだり膿が出たりします。恥ずかしいからと悪化するまで本人が言い出さないこともあります。オシッコすると包皮が風船みたいに膨らむ、汚れた手で先端をいじる癖がある、剥こうとしても亀頭がほとんど見えない、といった方は炎症を起こしやすいので対処をおすすめします。なお、成人が亀頭包皮炎を起こした場合は性感染症が原因です。

局所を清潔に保つことが最重要 洗い方をマスターして再発防止を

局所が清潔であることが重要なので、痛みがない範囲で包皮を剥き、石けんで優しく洗いましょう。必要に応じて抗菌薬の投与も行います。重症化したり後遺症が残ったりする心配はありませんが、繰り返す可能性はあるので、いったん治療した後こそ重要です。 　 日本では割礼（包皮を切る手術）が一般的ではないため、自分で包皮をずらして剥き、お風呂で洗えるように指導してください。詳細は受診時に説明しますが、ここはお父さんの出番！　大きくなると恥ずかしがりますし、性教育の良いきっかけになるので、小さいうちがベターです。成人の場合は、他の性感染症を同時に検査しながら治療します。