Q.従業員を雇用契約とは異なる業務に 配置転換できるでしょうか?

Q.従業員を雇用契約とは異なる業務に 配置転換できるでしょうか?

A.一定の条件の下でできる場合があります。

本人の同意なしの
配置転換は原則として不可

雇用契約で従業員が勤務する部署や業務を定めた場合、原則として、従業員の同意なしに異なる業務への配置転換はできません。同意なしに配置転換させられるのは、次の場合に限られます。

①天災、火災、疫病などの突発的な事由が発生した場合
②労働災害を予防したり労働災害から回復させる必要がある場合
③電気・水道事故が発生した場合
④生産上または経営上の必要性が生じた場合

④の場合、どのような場合に配置転換できるかを、あらかじめ就業規則に具体的に規定しなければなりません。

配置転換をしても
期間は年間60営業日まで 

これらの理由で従業員を配置転換させる場合、企業は3営業日前までに、配置転換の期間を明示して従業員に通知する必要があるほか、配置転換できる期間は年間60営業日までとされています。これを超えて継続させるためには従業員の同意が必要となり、同意を得られなければ元の業務に戻さなければなりません。元の業務に戻さなかった場合、従業員は一方的に雇用契約を終了させることができます。

雇用契約書には従事させる業務の内容を規定する必要がありますが、規定の仕方によっては配置転換させることが難しくなることに注意が必要です。

グエン・フオン・タオ
Nguyen Phuong Thao

ベトナム弁護士。主な専門は、海外企業のベトナム進出手続き、各種ライセンス手続き、外資企業の各種コンプライアンス、M&Aなど。

KAGAYAKI TNY LEGAL (VIETNAM) Co., Ltd.
メール:info@kt-vietnam.com
www.kt-vietnam.com

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