ベトナム、CbCR自動交換協定に署名 企業への影響と今後の対応

ベトナム、CbCR自動交換協定に署名 企業への影響と今後の対応

MCAA CbCR署名による
制度上の前進と現状の課題

ベトナムでは、最終親会社に国別報告書(CbCR)の作成義務がある場合、ベトナムの税務当局への提出が求められます。

これは、移転価格税制の透明性確保が目的ですが、企業には事務負担となります。こうした負担を軽減する方策として、経済協力開発機構(OECD)が主導するCbCR自動交換協定(MCAA CbCR)への署名による自動交換の実現が、かねてより期待されてきました。

2023年3月の税務行政執行共助条約への調印(2023年7月号の記事参照)以降、実務面で大きな前進は見られませんでしたが、2025年1月13日、ベトナムはMCAA CbCRに正式署名しました。2025年10月時点では、日本を含む34の国・地域との交換関係が有効化され、制度上は2国間での自動交換が可能となりました。これにより、企業の報告負担の軽減に向けた制度整備が一歩進んだ形になります。

企業が取るべき対応について
引き続きモニタリングが必要

しかし、2025年11月時点では情報技術インフラが未整備のため始まっていません。提出義務を負う企業は、税務当局への提出が求められ、未提出の場合は文書不備として指摘される恐れがあります。

今後は、開始のタイミングや当局のガイダンスを定期的にモニタリングしつつ、現行の実務指針に基づきCbCRを提出できる体制維持が重要です。

Information

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール: eyhanoi@vn.ey.com
www.ey.com

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