ベトナム人経営者の気質/第17回/取引先を聞き出すことで/安心感を得られる

取引先の企業名が信頼の根拠?

日本とベトナムの大きな違いの1つとして、たとえば工場視察時の写真撮影が有ります。日系企業であれば、例えそれが新規のクライアントで有ったとしても、視察の段階で工場内の写真撮影などはお断りすると思います。一方、ベトナム企業で工場内の写真撮影を禁止している所はまだ多くはありません。   また、外資系の取引企業名を尋ねれば、それを企業アピールの材料として回答するのが通常の姿となっております。聞いてもいないのに、取引企業名を出して来るベトナム人経営者も多くいます。   つまり、機密性という点において、日本人が居酒屋でクライアントの話をするよりも低いと言わざるを得ないという部分は、大きな違いではないかと思います。

日本なら聞かないような質問尽くし

日本側にしても、「日本や外資系企業との取引経験は?」などと軽く聞くくらいなら可愛らしいモノで、恐らく日本国内ではそんな質問はしないだろうという部分にまで突っ込んで、ズケズケ聞き出すのも当り前の姿に成っています。   途上国で新たな生産拠点を開拓する場合、各社の判断基準は異なっているとは思われます。しかしそういった日系企業の姿は、ベトナム企業から取引先を聞き出すことで、技術レベルの確認と自分の判断に対する安心や根拠を得ようとしているのだと感じます。   ベトナム企業からすれば、外資系企業との取引実績は是非ともアピールしたい部分でも有り、準備も怠りなく完成品のサンプル展示なども行っています。   ベトナム企業との面談時には、専門的な質問以外は、ある程度すでに用意され、何度も使い回された回答であるということは肝に銘じておきたいものです。面談時には相手側のシナリオに載ってしまわないように気を付けて頂ければと思います。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 Website:http://ags-vn.com
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