庶民派料理
特産品が生きる
庶民の味の数々
庶民の生活に根付いているのは、やはり地元の特産品を使った料理。その代表的な料理の1つがコム・ヘンだ。これに使われるシジミ貝(ヘン/Hen)は、市内を流れるフォン川で採ることができ、市内中心部にあるフンザンホテルの向かいには、シジミ採りやその加工に従事している人が固まって住む「コン・ヘン」という島まである。これもやはりフエ以外の土地でも食べられるが、フエのそれは、味の良さはもちろん、わずか2000〜3000ドン(約15〜20円)という値段の安さは地元ならでは。ブン・ヘン(米麺)、チャオ・ヘン(粥)などのヴァリエーションもある。
フエ料理の中で、バイン(Banh)という名が入る、特徴的な一連の料理がある。これもまた、レストランで出る料理というよりは、屋台などで気軽に食べられる庶民の味だ。共通するのは、溶いた米の粉を使っている点。具になるものはエビ。そんな単純な料理が、異なった調理をされて、様々な味のヴァリエーションを奏でることには驚かされる。
こういった庶民の味を楽しむには、ツンと澄ましたレストランではなく、街の人たちが賑やかにつどう屋台や庶民的な店を訪れたい。
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