Q. 従業員の定年や高齢者雇用について、法律ではどのように規定されていますか？

A.定年年齢は段階的に引き上げられ、高齢者雇用には注意点があります。

2024年時点の定年は
男性61歳、女性56歳4ヶ月

現行の労働法では、労働者の定年は、男性が2028年までに62歳に、女性は2035年までに60歳になるよう段階的に引き上げられており、2024年の時点では、男性は61歳、女性は56歳4ヶ月です（労働法169条2項）。労働法は、法定の定年年齢を超えて就業する労働者を「高齢労働者」と定義し、その雇用に特別の規定を置いています。

年金受給の高齢労働者でも
給与等の保障が必要

ベトナム人の有期労働契約は、更新は1回まで、2回目の更新から無期限の労働契約となりますが、高齢労働者は2回以上、有期労働契約を更新できます（労働法149条1項）。企業は、高齢労働者が求めれば、毎日の労働時間の短縮や、パートタイム労働制の適用が必要です（労働法148条2項）。また、原則として、高齢労働者を、健康に悪影響を及ぼし得る重労働や有害・危険な職種・業務に従事させることはできず、その必要性がある場合、十分な安全性の確保が必要です（労働法149条3項）。

なお、高齢労働者が社会保険法に基づいて年金を受給することになっても、企業は、高齢労働者に対して法令や労働契約に基づいて賃金を支払い、各種待遇を保障しなければならず、年金受給を理由にこれらをカットすることはできません（労働法149条2項）。

グエン・ゴック・ホン・アン
Nguyen Ngoc Hong An

ベトナム弁護士。主な専門は、海外企業のベトナム進出手続き、各種ライセンス手続き、外資企業の各種コンプライアンス、M&Aなど。

KAGAYAKI TNY LEGAL (VIETNAM) Co., Ltd.
メール：info@kt-vietnam.com
www.kt-vietnam.com