ベトナムAPA制度の最新動向 より積極的な検討が可能に

ベトナムAPA制度の最新動向 より積極的な検討が可能に

APA制度の概要と
これまでの課題

事前確認制度(APA)は、関連間取引の移転価格の算定方法を税務当局と事前に合意する仕組みで、将来の税務リスクや二重課税を回避することを目的とします。

ベトナムでは、移転価格調査による追徴課税の不確実性が課題となることが多く、APAの活用により移転価格方針の安定化・将来の税務リスクの予見可能性向上の実現が期待されてきました。

しかし、2013年の制度導入以降、2021年にAPAの適用に関するガイドラインが発行されるなど法的枠組みは整備されてきたものの、承認プロセスの複雑さや審査スケジュールの不透明さが障害となり、2025年時点では正式締結事例はありません。

法改正による承認フロー改善
および今後の展望

このように実効性に乏しい状況が長年続いていましたが、2025年7月施行の政令122/2025/ND-CPにより、承認権限が首相から財務大臣へ移管され、2国間・多国間APAの承認フローが大幅に簡素化されました。

さらに、2026年7月1日から施行する新租税管理法108/2025/QH15号では、税務局長まで決定権限が委譲されることとなっています。

実務においても、日本との2国間APAも協議が進行中のケースもあり、初の成立が期待されます。関連者取引の多い外資企業は、税務リスク軽減のため、より積極的な検討・準備を進めることを推奨します。

Information

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール: eyhanoi@vn.ey.com
www.ey.com

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