ベトナムふしぎ発見！ビールに氷を入れるのはなぜ？／ベトナム人のビール事情を覗く

ビール消費量ランキングで世界9位 その要因はベトナムの社交文化

2019年に発表された世界主要国のビール消費量に関するキリンホールディングス株式会社（東京都中野区）のレポートによると、ベトナムは世界9位だった。ベトナムではビールはおいしく飲む以外に、大切な商談や、同僚や仲間との仲を深める場でも社交文化の道具として利用される。また、ビールを飲むときは氷を入れて味わうという、他の国とは少し変わった習慣があるのが特徴だ。

冷え、味、雰囲気、気候 氷好きになる背景はその4つ

アジアプラス株式会社(東京都）のベトナム人の氷とビール飲酒に関する調査結果によると、ビールに氷を入れる理由は複数ある。 まずは冷えたビールを飲みたいからだ。一般的なローカル食堂には大量のビールを冷やす大型の冷蔵庫がなく、代わりに氷で冷やすことができる。そして、氷を入れることでビールの味が薄まるため、ビールが苦手な人にとっても飲みやすくなる。飲み会の雰囲気を壊さないよう、同僚や友人らと長い時間飲むことになりそうなときは、氷で薄めておけば酔いにくくなるのも利点だ。 また、気候も要因の１つで、ホーチミン市などは大きく乾季と雨季に分かれており、1年を通して暑く、ドリンクを飲む時は氷を入れて喉の渇きを潤そうとする。一方、ハノイなど北部には四季があるので、冬になると氷の使用を控える傾向がある。