ベトナムふしぎ発見!/ベトナムの習わしの1つ/旧暦7月の「幽霊の月」

迷った霊魂が暴れるので 買い物もビジネスも控える

ベトナム人の間では、旧暦7月は「幽霊の月/Thang Co Hon」と言われている。亡くなった人たちの彷徨う霊魂や妖怪が、人間界にやってきて暴れる時期だという。毎年8月頃になると、お金や物をなくしたり、ビジネスがうまくいかなくなったり、運が悪いことが頻繁に起こると信じられている。なので、買い物を控えたり、企業でも取引や商談を避けたりする傾向がある。迷う幽霊に掻き乱されないために、“賄賂”のように供え物を準備し、御霊信仰(Cung Co Hon)をする人も多くいる。

本当に不運が起きるのか?  心理の目線から見る7月

「10個の面白い事実/10 su that thu vi」というフェイスブックページに投稿された記事によると、「旧暦7月は運が悪い月」というのは、いくつかの心理現象が組み合わさった結果かもしれないという。1つは確証バイアスで、人の脳では「7月になった。運が悪くなっているはず」と思うと、幸運なことがあってもそれを無視し、不運な情報ばかりを集める傾向がある。フェイスブックなどのSNSをチェックし、友人や知り合いの不運なエピソードを見ると、全体像が見えなくなり、“不運の多さ”をなんとなく信じてしまう可能性が高い。「利用可能性ヒューリスティック」の影響だと言われている。つまり、旧暦でも陽暦でも7月が悪いわけではなく、すべての不運は人間の脳と心理次第だということだ。
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