ベトナムふしぎ発見!/ベトナムの比喩表現/犬と鶏の登場数がぶっちぎり

ベトナム語に登場する動物は 日本語とは少し異なっている

ベトナム人は昔から、自分に馴染み深い事象を観察し、たくさんの比喩表現を生み出してきた。中でも動物を使った表現が多く、日本とは異なる生き物で同じ意味を持つものもある。汚い字の意味である、日本の「ミミズの這ったような字」は、ベトナムでは「鶏が土を掘ったような字」と言う。エサを探すためにあちこちで土を掘り返す鶏の動作に例えたようだ。また、「金魚は3秒で忘れる」という考えから、物忘れの激しい人を「金魚の脳を持つ人」と呼び、日本の「鳥頭」と同じ意味だ。

犬、鶏、虎、象、竜…… 95種の動物があらゆる表現に

ある大学が行ったベトナムの慣用句4500個を研究した結果によると、95種類の動物が使われていたという。中でも、家庭でよく飼われている犬や鶏が多く、実に犬は79回、鶏は50回登場する。虎や象、伝説の動物とされる竜なども出てくる。自分のことを棚に上げて他人の悪口を言う人を「Cho che meo lam long(犬は猫の毛が多いことを嫌う)」や偉い人が訪ねてきたことを「Rong den nha tom(エビの家に竜が訪問する)」などが日頃よく使われる。 最近、「Buon nhu con chuon chuon(トンボのように悲しい)」などの “若者表現も流行っている。これは音遊びで、似た音の言葉をかけ合わせている。話すときにリズムがよく、聞いていても面白い。別に、トンボが悲しんでいるわけではないのだ。
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