#33 Đường Tú Xương/トゥースオン通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介

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ナムディン省に生まれ育ち 36歳でこの世を去った詩人

ゥー・スオン(Tu Xuong、1870年9月5日~1907年1月29日)は、グエン(Nguyen/阮)朝(1802~1945年)時代の文人・詩人。ナムディン(Nam Dinh)省ミーロック(My Loc)県ヴィスエン(Vi Xuyen)村、現在のナムディン省ナムディン市ヴィスエン街区ミンカイ(Minh Khai)通りの家で生まれ育った。本名はチャン・テー・スオン(Tran Te Xuong/陳濟昌)で、トゥー・スオンはペンネーム。 トゥー・スオンは幼い頃から賢く有名だったが、1886年から1906年まで計8回、科挙を受験するも失敗し続け、人生の大半を受験に費やした。16歳でファム・ティ・マン(Pham Thi Man)と結婚し、6人の息子と2人の娘を授かった。忍耐強く、夫と子どもを心から愛していた妻に感謝していたといい、妻をテーマにした詩も数多く残している。 彼の詩は、叙情的かつ現実的で、風刺的な点が特長だった。いずれも漢字をもとに作られたベトナムの文字、チュノム(Chu Nom/字喃)で書かれており、現在まで漢詩は確認されていない。また、同じく詩人のグエン・チャーイ(Nguyen Trai)、グエン・ズー(Nguyen Du)、ホー・スアン・フオン(Ho Xuan Huong)、ドアン・ティ・ディエム(Doan Thi Diem)に次いで、ベトナム史上5番目に優れた詩人と評されることもある。 1907年1月29日、かぜを理由に36歳で急死。現在のナムディン市内にあるヴィスエン公園に埋葬された。同市では、生家があったミンカイ通りに交差して、彼の本名を冠したチャンテースオン通りがあるほか、ハノイなどにも同名の通りがある。また、ホーチミン市やフエなどにはトゥースオン通りとしてその名を残している。 石井 彩子 元ベトナム考古学徒。考古学はライフワーク。日々、どローカルなベトナムライフを満喫中。
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