#03 Duong Thi Sach／ ティーサック通り

ベトナム全国の通りには、歴史上の出来事や重要人物の名前などがつけられている。よく耳にする通り名の意味や由来について紹介 「ベトナムのジャンヌダルク」 チュン姉妹の姉・徴側の夫 中国・漢王朝の圧力に対抗しようと呼びかける愛国者。ティー・サック（Thi Sach／詩索、？～紀元39年）は、交趾郡朱鳶県（Chu Dien、現ハータイ／Ha Tay省）の有力な貉将（地域の領主）の息子であり、麋冷県（Me Linh、現ハノイ北西部）のハイバー・チュン（Hai Ba Trung／徴姉妹）の姉・チュン・チャック（Trung Trac／徴側）の夫である。 　 紀元１世紀、ベトナムは中国の後漢王朝の支配下に入っていた。中国の官僚である交趾郡の太守・蘇定（To Dinh）は残酷で、常に住民に様々な税金や貢納品を求めていた。それに対して、朱鳶県の県令であるティー・サックは蘇定に警告書を送り、旧甌駱（Au Lac）国の各地に回って、国を救える人材を探した。 メリン県を訪ねたとき、チュン姉妹と知り合い、お互いの勇気心に感動。ティー・サックは姉の徴側と結婚した。 　 諸説によると、この結婚により朱鳶県の貉将がメリン県の貉将と一緒になり、後漢に対抗する力が強くなると判断され、蘇定はティー・サックを捕らえて処刑。この事件が引き金となり、チュン姉妹は反乱（「ハイバー・チュンの乱」）を引き起こしたとされる。 　 現在、ホーチミン市の中心部では、ティーサック通りとハイバーチュン通りがメリン広場で交差している。