ヴィジュアル☆ベトナム/セクシーファッション写真家の本音/INSIDE THE MIND OF A SEXY FASHION PHOTOGRAPHER

Visual25撮影/チュン・クオック・フン、メイク&スタイリスト/ヴォーグ(Vogue) ヴィジュアル☆ベトナムきらびやかな化粧、艶めかしいポーズ、すらりと伸びた脚。最近のベトナムのファッションモデルは、性的魅力を滴らせている。1982年生まれのファッション写真家チュン・クオック・フンの作品では特に顕著だ。 スタジオ設立直後の2007年、彼は初めてのファッション写真を見せてくれた。オートバイに乗った少女、革、オレンジの炎。視覚文化が控えめだった当時にしては、かなり熱い。だが彼は特に“色気”を意識していたわけではなく、初心者として一連の作品を撮りためていたのだった。何て無邪気な。 この6年間で作品は強靭さを増した。だが、『トイチャンチェー/Thoi Trang Tre』誌や、『テーゾーイモット/The Gioi Mot』誌などで活躍するこの若手ベトナム人写真家にとって色気とは何なのか。 チャイナドレス姿だが、荒廃した古きサイゴンに佇んでいる作品がある。中国少女とは一見、古典的なテーマだが、よく見るとドレスの背中が大きく開き、ジッパースリットが前を這う。素材はシースルーの黒のストレッチで、市場を歩く彼女の黒い下着が目に入る。 鑑賞者が、モデルと目が合うことは決してない。彼女は窓の外や、どこかを眺めている。そんな“慎み深い”写真を“色っぽい”としたことに驚いた。 「うん、彼女の視線が色っぽいんだ。恋しい人を思い出しているようで。色気にはくびれや肌だけじゃなく、主題に合うポーズ、色と光、服装が要る。でも最も色っぽいのは感情だよ」。 全体的なアプローチ。面白くなってきた。 肉体の露出については全くシャイではない。水着撮影で彼は2人の女性を…まあ、何と言うか、自分の目で確かめてほしい。だがフンにとって色気とは、あくまであらゆる要素の集大成であり、プールの更衣室でまさに始まろうする事をほのめかすだけではない。 一般的なベトナム人にとっての色気とは、「18~25歳の女性、長い脚にハイヒール、豊満な胸、茶色く染めた髪、きりっとした鼻と顎、くびれ、くびれ、くびれ」。日本的な色気とは異なるが、私のような西洋人の概念には近い。 「うわ、違うよ!」。彼は私を笑った。「ヌードは色っぽいよね?」「全然」「ポルノは?」「絶対に違う! シースルーは色っぽいけど、完全な露出はそうじゃない。想像が必要なんだ」。 キャバレーのシーンの作品は、この点を説明している。 「彼女には歌うように頼んだ。本気でね。そうしたら歌がすごく上手で、その瞬間には参ったね。本当にきれいで完璧に色っぽかった。彼女は自分を表現していた。僕らは彼女を見せる物語を創っていたのであって、からだやドレスを見せるためじゃない。一番大切なのが感情っていうのは、こういうことだよ」。 これらの言葉に、私は心からほっとした。モデルはその外見で認められるが、彼女にも精神生活や自己表現があり、単なる男性の妄想の受け皿ではない。このファッション写真家の目には、完全に女性であることが色っぽく映るのだ。 Visual_0071_pp_pp撮影/チュン・クオック・フン、メイク&スタイリスト/ダット・レー(Dat Le)
Sue Hajdu スー・ハイドゥー オーストラリア人アーティスト、写真家、文筆家としてベトナムと日本で活動。シドニー大学日本学の学士号、同大学院視覚芸術の修士号をもつ。 Website:www.suehajdu.com facebook:Sue.Hajdu.Projects Chung Quoc Hung チュン・クオック・フン Website:chungquochung.com
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