ベトナム人経営者の気質/第7回 利益独占の思考①/~現地販売代理店~

ベトナム人経営者の気質/第5 回  条件交渉の姿勢/~綺麗な花には刺がある~外資系は輸出加工から現地販売へ

ここ数年における外資系企業のベトナム進出傾向を見てみますと、以前のような輸出加工型企業の生産拠点としての進出だけではなく、ベトナム国内での販売を目的とした内販重視の進出も増えて来ています。このことは、ベトナムの発展と共に注目すべき点だと思います。 日本側からの各種視察や市場調査も、現地販売市場への視察や調査が増加しております。”視察”と称する漠然とした観察ではなく、具体的に販売現場を見てみたいという、より具体的な依頼が増加し、しかもそれがより細分化されて来ている部分は、特筆すべき点では無いかと考えます。 これは、大手メーカーであれば駐在の人員を増やすことで自社の販売ルートを増強すると思いますが、中小・中堅企業の場合では、自社の駐在を多く配置せずに、現地での販売代理店探しが重要なポイントと成っているからだと思われます。

商品価値より、利益を重視

海外正規品のサプライヤーになれる現地の販売代理店はまだ限られてはおりますが、その裾野は徐々に広がりを見せております。 しかしビジネスチャンスを敏感に察知するベトナム人経営者でも、商品がどの程度の価値、人気、味、機能、効能を持っているのか、他社との競争力や差別化がどこにあるのか等は全く関知しません。 それよりも、その商品で得られる利益を自社利益として全て取り込もうと、「独占輸入販売権」を締結することの方が、利益追求を第一に考えるベトナム人経営者にとって重要となります。 進出して来る外資系企業側からすれば、販売網が既に構築されている現地サプライヤー企業は魅力的ではあります。しかし、その商品を売るために、ベトナム企業が独自にキャンペーンを張り、マーケティング活動にも勤しんでくれるとは必ずしも言えませんので注意が必要です。
河原 光伯 かわはら みつのり 15 年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA 事業に従事。AGS ホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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