ベトナムの裁判所制度は、/日本とだいぶ違うの?

ベトナムのこんな法律社会主義国家たるベトナムの裁判所は、日本とだいぶ違う様な印象があるかもしれませんが、実際のところ、制度的な大差をあまり感じません。 ベトナムは大きく分けて、最高人民裁判所の下に、省級および県級人民裁判所があります。よく、最高裁および省級裁に設置される、民事・刑事・経済・労働・行政の専門部が特徴的と説明されていますが、実は日本の裁判所にも事実上、この種の専門部が存在しています。 またベトナムでは、当事者が裁判所の判断に1度しか不服を申し立てられませんが、2段階の不服申立てを制度上認める日本でも、2段階目の申立てが実質的に許されにくいこと(その他運用など制度全般)を考えると、あまり大きな違いを感じません。 この点、ベトナムの検察院が裁判所を監督するという社会主義独特な制度は日本では見られませんが、日本の裁判所・検察庁の密月関係、および検察庁出身者が法務省幹部を数多く占める現状を考えると、この点さえあまり大差ない気もします。 こうしてみると、日本で議論される裁判所の様々な問題点は、ベトナムにも解決の糸口があるかもなぁと、フォーを食べながら僕は思うわけです。
野口 真吾 のぐち しんご 慶応義塾大学卒、第二東京弁護士会所属。3年間、日本国内の法律事務所に勤務し、中小企業を対象に一般企業法務からM&A、金融まで広く担当。現在、J&P LAW GROUPに参画、日系企業をフルサポート。
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