世祖廟・鼎・顕臨閣 
廟に並ぶ位牌、龍顔を拝す
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(左/鼎)鼎に描かれた図柄は、果樹や動物を中心にした、ベトナムの風物。「海雲閣(ハイヴァン峠)」といったフエ近郊の風景も(右/世祖廟)世祖廟には10基の祭壇がある。13人の皇帝中、ズクドゥック、ヒエップホア、バオダイのものはない。前者2名は廃位されたためという。 |
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(下/顕臨閣)1824年、ミンマン帝により、グエン朝の興隆に貢献した人々を祭るため創建された菩提寺。王宮・旧市街ではこれより高い建物の建設が禁じられていた。 |
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漁「ほほぉー、大きな鍋でじつに便利そうですな。たくさん煮込み料理ができそうで」
帝「九つの鼎(かなえ)である。本来は鍋だが、皇帝の象徴でもある尊いものだ。そのうしろが顕臨閣(けんりんかく)である」
漁「この鼎ってやつの表面には難しい文字がありますな。漢字って代物でしょうかね」
帝「各鼎の文字はグエン朝の皇帝を表すのだ。例えば予、ミンマン帝は『仁』、父上のザーロン帝は『高』である」
漁「それで、あっちの建物は何です?肖像画のついた置物がたくさんありますがね」
帝「世祖廟(せそびょう)といって、歴代皇帝が祀られているところである。みな美形であろう」
漁「はあ、真ん中がお父上のザーロン帝で。はて、どうも端の方の祭壇が新しいですな」
帝「おお、よく気がついた。ハムギ、タインタイ、ズイタンの3皇帝は、フランスの植民地支配に抵抗して流刑に処せられた。それで1958年になってようやく祭壇が作られたのである。われらグエン朝は、常にフランスと複雑かつ微妙な関係にあったということだ」 |