時を忘れ、水と共に巡る旅。
ごく普通の農家訪問。
他では決して味わえない本当の素朴さ。
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涼しくなった夕暮れからが、いよいよクルーズ船の本領発揮。さらっとした肌触りの風がなんともいえない気持ちよさだ。夕食のメインは雷魚のソテーとタマリンド仕立ての海鮮鍋。南部を代表する食材が、どの国の人もおいしく食べられるようにアレンジされている。 |
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1日目‐19:00‐@ナイトクルーズ
バサック号は暗い水面を勢いよく進み、デッキチェアでくつろぐのに最適な夜風を作り出す。船上から遠くの暗闇に目を凝らすと、魚捕りを仕掛けている小舟がぼんやりと浮かび上がってくる。
7時を過ぎてお腹がすいてきたからぼちぼち夕食でも、といった雰囲気で乗客が集まってきた。親しい友達の家でだらだらと過ごす感じによく似た「なんとなく」なこの空気が実に心地よい。
ひとしきり食べて飲んで、もうお腹いっぱいと言いつつもまだ海鮮鍋をつついていると、街灯や背の高い家の並ぶ町が暗闇の向こうに現れてきた。今夜の停泊地・チャーオンに入ったのだ。船を見つけた子供たちが川沿いの道を走りながらこちらに手を振る。
夜景を遠目に臨む川幅の広いところで、船は碇を下ろした。目指すカントーはもう目と鼻の先。旅が終わる明日の夜は、またあの騒がしいサイゴンにいるんだなと思ったら、なんだか急にもの足りない気持ちになってきた。
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