Nguyen Van Doanh(グエン・ヴァン・ゾアイン)さんは、そんな中、今でも伝統的な手法でバッチャン焼を作っている。彼の工房では、形の成型から絵付け、窯入れまで、全ての工程を家族5人でこなしている。一番大変という作業は窯入れ。幅約90センチの小さな窯に、高さ約6メートルにまで、染付けされた陶器を積み上げていくのだ。「古い窯で作業をするのは、もちろん辛いよ。時間もかかるし、焼く時には泥炭の煤を吸って体にも良くない。だけど、効率だけじゃない。手間のかかる作業も結構楽しいんだよ」と、根っからの陶器好きなのか、煤で黒くなった顔を拭きながら話してくれた。