第6章 ヌックマムは7番絞りまである

「１つの樽には、約10トンの魚と塩が入る。そこから取れるN値40のヌックマムニーは、大体2500から3000リットルだね。」

「その後は、どうするんですか。」

「実は、ヌックマムは7番絞りくらいまであるんだよ。１番絞りを取った後、N値が12から15程度の低いヌックマムを足すんだ。そうして1週間後に出来上がるのが2番絞り。これはN値が35にまで下がる。味も少し落ちるね。」

　ヌックマムを取っては、注ぎ足す。この作業を6回繰り返すのだという。最後の６〜7番絞りになるとN値は12〜15にまで落ち込むので、そのまま売られることはなく、2番絞り以下を作る原料液として使われる。「卸したヌックマムは。ホーチミン市内に約100社ある小売業者が、他のヌックマムを足したりして独自のブレンドを作って瓶詰めし、自社ブランドとして販売するんだ。」そういえば、以前に新聞で、「フーコック産のヌックマムは1000万リットルなのに、ホーチミン市内で売られているフーコック産ヌックマムは、2500万リットルもある」という指摘を読んだことがある。

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フーコック島への旅(SketchTravel)