鼻づまりは体からのサイン原因を知って生活を快適に

鼻づまりは体からのサイン原因を知って生活を快適に
症例
51歳男性。慢性的な鼻づまりが続き受診。内視鏡検査で鼻中隔弯曲症の所見を認め、またアレルギー検査で通年性アレルギー性鼻炎と診断。内服治療を処方し経過観察としたが、翌月も改善は限定的だったため、帰国時の外科的治療を提案。

慢性的な鼻づまり
実は構造が原因かも

鼻づまりの原因を正しく知るには、専門医による検査が欠かせません。原因を突き止めることで、薬による治療だけでなく、手術を含めた根本的な治療の選択も可能になります。

実は、約80%の人は鼻の中を左右に分ける仕切り(鼻中隔)が曲がっていると言われています。鼻中隔弯曲症は、この鼻中隔が大きく曲がり、空気の通り道が狭くなった状態で、慢性的な鼻づまりや呼吸のしづらさにつながることがあります。

さらに、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)や鼻粘膜の腫れ、鼻茸が原因で症状を悪化させることもあります。まずは、検査で原因を把握することが、快適な日常生活を取り戻す第一歩です。

通年性アレルギー性鼻炎に注意
原因物質を検査で確認

また、アレルギー性鼻炎の原因は、花粉だけではありません。1年を通じて鼻づまりや鼻水、くしゃみが続く方は、ハウスダストやダニ、ペットの毛、カビなどが原因の場合もあります。まずは検査と診察で原因を確かめ、薬で症状を抑えるのが基本です。

十分な改善が得られない重症例や薬を続けにくい方では、鼻粘膜レーザー焼灼術による粘膜の縮小が有効な場合もあります。そのほか、鼻水やくしゃみを引き起こす神経に作用する、後鼻神経切断術などの外科的治療もあります。

鼻の通りを改善することは睡眠の質にも影響し、生活全般の快適さに直結します。長引く鼻づまりは諦めず、ぜひ専門医にご相談ください。

JIN Tokyo Clinic
髙松 俊輔 医師
(耳鼻咽喉科専門医)

国立山梨医科大学卒業後、東京大学耳鼻咽喉科学教室に入局。2002年東京都多摩市にたかまつ耳鼻咽喉科クリニックを開院。現在、耳鼻咽喉科・皮膚科・泌尿器科など20院を運営。
関連記事
Related Articles
インフルエンザ予防に 早めのワクチン接種を
2025.10.20

インフルエンザ予防に 早めのワクチン接種を

痛風発作と尿酸値 発作対応から長期管理まで
2025.09.20

痛風発作と尿酸値 発作対応から長期管理まで

機能的で美しい歯を取り戻すインプラント治療 多くの人に普及した今、知ってもらいたいこと
2025.08.20

機能的で美しい歯を取り戻すインプラント治療 多くの人に普及した今、知ってもらいたいこと

痛い帯状疱疹、ワクチンで予防が可能 ワクチンで認知症予防の報告も!
2025.07.20

痛い帯状疱疹、ワクチンで予防が可能 ワクチンで認知症予防の報告も!

大気汚染の影響と対策 ベトナムで健康を守るために
2025.03.20

大気汚染の影響と対策 ベトナムで健康を守るために