インフルエンザ予防に 早めのワクチン接種を

インフルエンザ予防に 早めのワクチン接種を
症例
1歳男児。7歳の兄が一時帰国中にインフルエンザに罹患し、ベトナム帰国後はほかの家族にも感染した。男児自身も発症し、40℃の発熱とけいれんを起こし、入院治療を受けた。

インフルエンザの流行状況
日本とベトナムの違い

日本では、毎年冬季にインフルエンザが流行します。とくに2024年末から2025年初頭にかけては、過去最大級の患者数が確認され、医療機関の混雑や学級閉鎖などが相次ぎました。

一方、ベトナムでは、雨季に患者が増える傾向はあるものの、日本のような季節性は少なく、1年を通して感染が見られます。また、年末年始やテト休暇の時期には、日本へ一時帰国した際に感染する人も少なくありません。症例のように、日本では無症状で、ベトナムへ帰国してから症状が出る例も見られます。

日本とベトナム、両国を行き来する生活の中では、流行時期や特徴の違いを理解し、予防を心がけることが大切です。

罹患率の高い小児
重症化予防にはワクチン接種を

インフルエンザは全年齢で罹患しますが、とくに小児では罹患率が高く、場合によっては重症化することがあります。高熱や頭痛、呼吸器症状のほかけいれんなど、大人とは異なる症状を示すこともあるため、注意が必要です。なかでも、幼稚園や学校などで集団生活を送っている子どもは感染を広げやすく、家庭内感染につながることも少なくありません。

インフルエンザを予防する有効な手段の1つがワクチン接種です。ベトナムでは今シーズンの接種が始まっており、とくに小児や一時帰国を予定している方へは、早めの接種をお勧めします。大切なお子さんを守るために、ご家族みなさんでの接種をぜひご検討ください。

Information

DYMメディカルセンター
松浦 潤 医師
(総合診療/小児科)

滋賀医科大学卒。日本国内で小児科医・救急医・総合診療医を経験後、国境なき医師団・南スーダン派遣。その後、英リバプール熱帯医学校で公衆衛生学修士取得後、UNICEF勤務を経て現職。
関連記事
Related Articles
痛風発作と尿酸値 発作対応から長期管理まで
2025.09.20

痛風発作と尿酸値 発作対応から長期管理まで

機能的で美しい歯を取り戻すインプラント治療 多くの人に普及した今、知ってもらいたいこと
2025.08.20

機能的で美しい歯を取り戻すインプラント治療 多くの人に普及した今、知ってもらいたいこと

痛い帯状疱疹、ワクチンで予防が可能 ワクチンで認知症予防の報告も!
2025.07.20

痛い帯状疱疹、ワクチンで予防が可能 ワクチンで認知症予防の報告も!

大気汚染の影響と対策 ベトナムで健康を守るために
2025.03.20

大気汚染の影響と対策 ベトナムで健康を守るために

世界平均の5倍!ベトナムのインフルエンザにご注意を
2024.01.20

世界平均の5倍!ベトナムのインフルエンザにご注意を