ベトナムにおける 拡大生産者責任(EPR)について

ベトナムにおける 拡大生産者責任(EPR)について

2025年1月1日以降、
電化製品も対象に

2025年1月1日より、家庭ごみの分別が義務化されるなど、ベトナムで環境保護の機運が高まっています。最近の環境保護政策における企業への影響が大きい論点として、EPRの導入が挙げられます。 

この制度は、特定の製品の製造者や輸入者にリサイクル責任を負わせるもので、2024年1月から①食品、化粧品、医薬品、肥料、飼料、家庭用洗浄剤、獣医薬、セメントに用いられる包装材、②電池・蓄電池、③潤滑油、④チューブ・タイヤを対象に運用が始まっていました。2025年1月1日からは電化製品も対象となっています。

ベトナム環境保護基金への
財政拠出が求められる

対象となる製品の製造者・輸入者は、①リサイクルを自ら実施・政府認可のリサイクル業者への委託、②ベトナム環境保護基金(VEPF)への財政拠出が求められます。実務上、自らリサイクルを行うことは困難なため、委託もしくは財政拠出が主な選択肢となると考えられます。

本制度には不透明な部分も残っていますが、これまでの政府の説明によると、ブランドオーナー(最終製品をベトナム市場に販売する者)が対象と理解されています。

つまり、現行の制度では、包装材など中間財の輸入者や製造者は、リサイクル責任(財政拠出等)の直接の対象にされていません。しかし、最終販売者から費用負担を求められる可能性もあるため、注意が必要です。

Information

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。
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