ベトナムでの注意すべき色使い～NGカラーとは？～

No.086 ベトナムのNGカラー

　ベトナムは東南アジアの中でも文化的・歴史的背景が豊かで、色に対する感覚も日本とは異なる点が多くあります。ビジネスシーンやイベント、広告物などで色を用いる際は、現地の文化や習慣を尊重した配色が重要です。とくに避けるべきカラーや、使い方に注意が必要な色を理解しておくことは、誤解や不快感を避けるうえで非常に有効です。

　まず、「黒」は注意が必要な色です。日本では高級感や洗練されたイメージをもつ色として重宝されますが、ベトナムでは「死」や「不幸」を象徴し、葬儀の場で多く使われます。お祝いの場や華やかなイベントには不向きであり、ポスターやチラシ、衣装などに多用するのは避けた方が無難です。

「白」もまた喪服に使われる色で、注意が必要です。近年は西洋文化の影響もあり、現代的なデザインのアクセントとして使用する分には問題視されないケースも増えています。ただし、大きな面積で使う際や、伝統行事の場では慎重に扱うべきです。

　色の選び方ひとつで、その場の印象や受け取られ方は大きく変わります。現地の文化や感性に寄り添った配色を心がけることが、信頼や共感を得る第一歩となるでしょう。

Information

田岡道子　
Taoka Michiko

「スパイラルカラー／Spiral Color」代表。カラー歴28年、カラー診断数は1万人超のベテランカラーリスト。バンコク中心部の「スパイラルカラーサロン」でカラースタイリングやレッスンを行う。大手自動車会社での色彩調査や、スタイリストとしても活動中。文部科学省後援の色彩検定で海外初、6年連続の団体優秀賞受賞。

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