日本の文化や美意識を再認識できる京都の街並みの色彩美

No.079 京都

京都の街並みは、伝統的な建築物と自然が織りなす繊細な色彩のバランスによって、訪れる人々に深い印象を与えます。建築物には、紅殻色（べんがらいろ）や黒漆色（くろうるしいろ）といった深く落ち着いた色が多用されており、これが街全体に静謐で品格のある雰囲気をもたらしています。

　桜の薄紅色に染まる春の京都は、伝統的な色彩に柔らかさを加え、訪れる人々に儚さと新しい季節の訪れを感じさせます。夏には、鴨川や貴船の涼しげな青、嵐山の竹林の鮮やかな緑が涼を誘う色彩を演出します。秋には、紅葉が街を赤や黄金色に染め上げ、特に嵐山や東山の景色は、訪れる人々に圧倒的な美を提供します。冬になると、雪化粧をした金閣寺や銀閣寺が、白と金や銀のコントラストを見せ、静寂の中に輝く美しさを感じられます。

　四季折々の自然と深く結びついた京都の街並みは、過去と現在が共存する空間で常に変化し続ける「生きた芸術」。何度訪れても新たな発見がある魅力があります。
　ベトナム在住の皆様にとって、時折、京都のような歴史ある場所を訪れる機会は、日本の文化や美意識を再認識する素晴らしいチャンスかもしれません。また、ベトナムの豊かな自然や色彩ともどこか共鳴する部分も感じられるでしょう。

Information

田岡道子　
Taoka Michiko

「スパイラルカラー／Spiral Color」代表。カラー歴28年、カラー診断数は1万人超のベテランカラーリスト。バンコク中心部の「スパイラルカラーサロン」でカラースタイリングやレッスンを行う。大手自動車会社での色彩調査や、スタイリストとしても活動中。文部科学省後援の色彩検定で海外初、4年連続の団体優秀賞受賞。

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