総合病院「久住病院」で日本人医師による安心治療を

緑豊かなエコパーク（Ecopark）にある「久住病院」は、日系企業100％出資の総合病院。救急や入院のシステム、日本語を話す看護師や事務員など万全の体制を整えて、患者の状態に最適な検査や治療を提供している。同病院の2人の日本人医師に、専門分野について話を聞いた。

子どもたちの健康を守るため
小児医療での幅広い経験を役立てたい

東京都立小児総合医療センターの救急外来に2022年まで勤務し、子どもたちの急な病気・怪我の対応や救急外来のマネジメントを担当。また石垣島の沖縄県立八重山病院では、離島という医療資源の少ない環境下で、新生児から思春期の子どもの予防接種や健康診断、外来診療から救急医療、搬送医療など、幅広い経験を積んだ。

小児科専門医・救急科専門医
杉浦健太 2016年のベトナム病院見学で「自分が経験している日本での小児診療とはかけ離れていることに衝撃を受けた」と話す杉浦健太医師は、2022年7月から「久住病院」で勤務を開始した。

「5歳未満の死亡率は、日本とベトナムで10倍も違います。子どもたちにより良い環境を作るために自分ができることはないかと考え、いつか発展途上国で働きたいと思うようになりました」

杉浦医師は小児救急専門医として、重症な子どもを見逃さず、適切に対応することに注力。丁寧な診療に加えて、専門的な治療や手術が必要な場合は専門家に紹介する。また、在住日本人に正しい医療知識を知ってもらうため、診療の度に自宅での注意点を家族に分かりやすく説明することはもちろん、多くの人々に適切な小児診療や子どもの健康について知ってもらえるような活動も積極的に行っている。

「今までの経験を生かした幅広い診療が可能です。また、日本の小児の専門家とも多くの繋がりがあるため、私自身が詳しくない分野でも、その先生方と相談しながら診療が進められます。ベトナムに住むお子さまたちと、そのご家族に寄り添える医療を提供していきたいと思っています」

海外だからこそ抱く不安はある
一人ひとりに寄り添い、最善の治療を提案

医師25年目を迎える総合内科医。とくに感染症、渡航医学の領域を得意とする。日本とベトナムを行き来しながら、両国の医療の進歩を見てきた。研修医時代の指導医が行っていたベトナムの病院プロジェクトを見学したことがあり、外資系クリニックでの勤務経験を含めて、ベトナムでの診療経験は10年以上。

総合内科医
石崎あずみ「ハノイの景色は数十年前とはすっかり変わり、当時の面影は旧市街に残るのみですね。それでもハノイの人々は変わらず温かく、優しく、エネルギッシュだと感じています」

学生の時にベトナムを旅行し、「すっかりベトナムのとりこになった」と話す石崎あずみ医師。研修医時代の指導医が行っていたベトナムの病院プロジェクトを見学した時に、この国で仕事をしたいという思いはさらに強くなった。そうして医師として渡越したのは2014年のことだ。以来、在住10年となったこれまでの経験を活かし、在住日本人の困りごとの解決を手伝いたいと思っている。

「ベトナムには、デング熱や破傷風など、日本ではあまりなじみのない感染症があります。これらをはじめとした、いろいろな感染症の予防や診断・治療に注力しています。さらに、日本とは環境も食事も違う、また言葉も通じない異国の地で病気になるというのは、とても不安なことだと思います。在越邦人の方々の生活背景は多彩です。一人ひとりの方に丁寧に向き合い、それぞれの事情を踏まえたベストな治療の選択肢を提案したいと考えています。どうぞ、些細なことでもお気軽にお問い合わせください」