税務署の担当者が突然来社! 罰金要求には、どう対応すべき?

税務署の担当者が突然来社! 罰金要求には、どう対応すべき?
交渉事例 No.001
 税務署や税関が不意にA社を訪れ、「あなたの会社はこれこれに違反していて、罰金を支払う必要がある。会計帳簿等の書類を提出しろ」と要求。連日のようにくるため、A社は、「担当者に権限があるのか、自社が違反しているのかを明らかにするため、法令を理解する時間が必要」と回答。その後、その理解に基づいて、担当者に説明を求めた。

担当者の自尊心を尊重しつつ
法令を根拠に真摯に対応

役所の担当者は、当初は強面かつ圧迫的な態度で接してきました。しかし、A社が法令への理解をきちんと説明し、理解できないところは丁寧な姿勢で直截に質問し続けることで、次第に十分な時間をかけて説明、検討をする姿勢に転じました。その結果、当初指摘された違反事由については、多くが取り下げられ、証拠上明らかな事由のみについて、違反処分が科されることになりました。

担当者の当初の態度に真正面から応えると、対応人員の確保など、通常の企業活動に弊害が生じますし、不適切なコストの負担も生じかねません。担当者は、職務上の成績を達成したい等、様々な主観的な動機を持っています。重要なことは、法令に基づいて仕事をすることが彼らの建前であるという点です。法令に基づいて真摯な態度で反論することで、彼らの自尊心を尊重しつつ、健全な関係を築くことが可能になります。

伏原 宏太
Fushihara Hirota

ベトナム法専門家、ベトナム語同時通訳者、上智大学法学研究科法曹養成専攻修了。日本人として初めて、ハノイ法科大学、ベトナム司法省司法学院弁護士養成課程の正規課程を修了。現在、ベトナム国際商事調停センター公式調停員、日越大学非常勤講師、非営利法人「越日希望の轍プロジェクト」代表を兼務。

The Libero and Associates
メール:fushihara@libero.com.vn
https://libero-associates.studio.site

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