世界平均の5倍!ベトナムのインフルエンザにご注意を

世界平均の5倍!ベトナムのインフルエンザにご注意を
症例)
17歳女性が、ホーチミン市での修学旅行中の2日目の夜に喉の痛み、3日目の朝に38℃の熱、咳が始まったと来院。迅速キット陽性につきインフルエンザと診断、タミフルなどの抗ウィルス薬、解熱鎮痛剤などの対処療法薬を処方した。

ベトナム人のインフルエンザ流行は夏
日本人コミュニティでは冬

インフルエンザは主に冬季に流行し、寒冷な環境での感染が増加します。これはウィルスが寒冷な空気中でより良く伝播するためです。

しかしながら1年中暖かいはずのベトナムでは感染が1年を通して起こり、ピークはわずかですが夏に訪れます。インフルエンザの感染率は世界平均の5倍にのぼり、入院率も高いです。

在越邦人の場合はどうかというと、日本での影響を受けやすいため、冬に患者が増えることが多いです。2023年冬季はとくにベトナムでも日本でも例年よりインフルエンザの患者が多く、これはコロナ明けで基本的な感染対策が疎かになったのが原因ではないかと言われています。

換気、マスク、手洗いなど
感染対策で自分と周りを守りましょう

インフルエンザの症状としては、他の風邪症候群と同じく発熱、喉の痛み、倦怠感など。かかったかなと思ったら早めに受診しましょう。インフルエンザ薬を内服することで解熱するまでの時間を早め、脳炎などの重症化を防ぐ効果があります。

予防対策としてワクチン、手洗い、マスクや栄養や睡眠をしっかり摂ることも大切です。インフルエンザの症状は2〜3日で治まることがほとんどですが1週間前後は周りの人を感染させます。家族が感染した場合には換気などを、まめに行いましょう。

旧正月テト(Tet)などの大型連休にうつしたり、もらったりしないように手洗い、マスクなどの基本的な感染対策を心がけてください。

ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミンシティ
黒川 剛生医師

東北大学医学部卒業。世界30ヶ国を旅した後、北海道を中心に地域医療に従事し、海外医療ボランティアにも参加。2021年からベトナムで総合内科スペシャリストとして勤務。
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