ベトナムの個人所得税帰国後納税には注意

ベトナムの個人所得税帰国後納税には注意

赴任期間の税務と
帰任後の税務

駐在員が赴任を終え、日本に帰国すると、日本の税務上は帰国日の翌日より日本の永住者となります。日本の永住者は個人所得税の計算にあたり、全世界所得が課税対象となります。

ここで、赴任先のベトナムにおいて赴任期間にかかる所得は課税対象となりますが、このベトナムの個人所得税の申告納税期限は出向や労働契約終了後45日以内となるため、帰任後に申告納税を行うケースもあるかと思います。ベトナムの法令上、45日以内に個人所得税を申告納税すれば、ベトナムの個人所得税上は問題ありません。

帰国後納税に対する
税務調査での指摘

ただし、駐在員の給与パッケージ上、ベトナムで発生した個人所得税は会社が負担する設計になっている日系企業が多いでしょう。

上記の通り、帰国日の翌日より全世界所得が課税対象となるため、帰国後に海外赴任先の個人所得税を会社が赴任者に代わり負担した場合には、この税金が日本側で手当として所得認識されてしまいます。

最近、日本の税務調査では、この赴任期間中の現地個人所得税の帰国後納税に対する指摘が増えているのが実情です。

日本側とベトナム側とでうまく連携し、帰任前に納税を完了するためのアレンジを検討することをおすすめします。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール:eyhanoi@vn.ey.com
ウェブサイト:www.ey.com

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