多文化の視点を取り入れるインター校ならではの日本語教育「インターナショナルスクールハノイ（HIS）」

インターナショナルスクールとしては比較的規模が小さい分、先生・生徒・スタッフの距離がとても近く、温かい雰囲気があるインターナショナルスクールハノイ（HIS）。5～12年生の日本語教育カリキュラムでは、日本とつながりながら世界を見る視点を、日本人生徒に育んでいる。その特色を、実際に学ぶ日本人生徒の声とともに紹介する。

HISの日本語教育カリキュラムは、日本語と、日本文化への深い理解と愛着を育めるように設計されている。生徒がグローバルな視点を保ちながら、日本社会と主体的につながる学びを促すことで、こうした教育目標を支えている。

とくに、コミュニケーション能力の向上と文化理解を重視している点が大きな特徴だ。例えば国語の授業では、日本の文学作品を題材に、登場人物の行動や背景にある社会的価値観についてクラスで意見交換をする。異なる意見を持つクラスメートの考えを聞くことで、新しい視点に気づくことができる。

また、学習内容の実用性を高めるため、日常的な場面を想定した活動を取り入れ、話す・聞く・読む・書くの四技能をバランスよく実践。それぞれの生徒の学力に応じて、十分なサポートを受けられるように工夫している。

さらに、日本人生徒は自らの言語と文化への理解を深めると同時に、国際的な仲間へ日本文化を伝える役割も担っている。授業では、日本の伝統や風習、祭りなどを取り上げ、言語学習と文化体験を結びつけている。なかでも2人の日本人教師の指導のもと、日本人生徒全員が参加する日本舞踊のパフォーマンスは、HISが大切にしている伝統の１つ。国際デーでは練習の成果を披露し、毎年観客を魅了する人気の演目となっている。

このような特徴を備えた日本語教育プログラムは、HISが掲げる「言語は文化やアイデンティティを理解する架け橋である」という方針をしっかりと体現している。