年齢、結婚、月収…まで聞くの? ベトナム会話の円滑油とその理由

年齢、結婚、月収…まで聞くの? ベトナム会話の円滑油とその理由

定番は「あなたは何歳?」
言語的な背景がその理由

 初対面でベトナム人は名前を尋ねた後、老若男女問わず年齢を聞く。「なんて失礼な!」と思うかもしれないが、実は言語と深い関係がある。

 ベトナム語では、相手がどれくらい年上か年下かによって、二人称(あなた)が変わる。相手を相応しい言葉で呼ぶために、最初にお互いの年齢確認が必要となる。これはベトナム人にとって、聞き手も話し手も一切、違和感を覚えないのだ。

結婚、子どもの有無まで?
意外と会話が弾むかも

 質問は年齢にとどまらない。恋人、結婚、子どもの有無、家賃、月収…、と続く。特に年配の人ほど、よく聞くようだ。何か悪巧みがあるわけではなく、あくまで会話をスムーズに進めるための話題をふっただけである。

 これは、例えばスーパーの前で知り合いに会ったとき、挨拶の代わりに「お買い物ですか?」と言うようなもの。聞き手は一切、悪意を持っていないし、明確な答えを求めるつもりもない。相手が心を開いて応じてくれれば、会話も弾むというものだ。

「恋人は?」、「まだ運命の人が現れてくれなくて」、「恋愛ってご縁もあるもんね。そういえば、縁結びならあのお寺が有名だよ」。こうして次々と話題が広がっていく、というわけだ。
 とはいえ、ベトナム若者の中には、プライベートな質問を嫌がる人も増えてきた。これは時代の変化ともいえるのだろう。
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