第244回子育てに悩むママに、仲間がいるよと伝えたい「輪」のように繋がり「和」むママカフェを発足

山本沙織さん＆坂本美希さん
「wacca（ワッカ）」主催者

異なる2人の力を合わせて
ママに必要な相談の場を提供年少の子と2020年10月に生まれたばかりの赤ちゃんを抱える山本さんと、年中の子を持つ坂本さん。2人が出会ったのは2019年6月頃。ハノイ日本婦人会が開催した親睦会でのことだった。

「私たちがまだ来越したばかりの時でした。坂本さんと席が近くて、『子育てをするママが気軽に集まれる会って、ハノイではなかなか見つからないね』という話になって。それなら一緒に作ってみましょうよ、と意気投合したんです」

　山本さんは日本在住時、各地域の自治体が主催する「子育てひろば」に何度も足を運んでいた経験があり、未就学児の子育てに関する情報交換や、仲間づくりができる場の重要性を実感していた。

　一方の坂本さんは元保育士。10年以上、子どもたちの成長を見届けてきたプロだ。

「これまでの保育士としての経験を生かして何か活動できないかなと、ちょうど模索していた時でした。私の知識やノウハウが誰かの役に立てばと、山本さんと一緒にママカフェの会を立ち上げることにしました」

　こうして、0～3歳までの未就園児を持つママたちが気軽に集まれる会「wacca」が2020年2月に始動。情報発信はインスタグラムが中心だったが、定員5人がすぐ埋まったほど、ママたちからはそのような場が求められていたことが分かったという。

楽しみも悩みも共有できる
子どもより、ママが主役の会

　ボランティアの子育てサークル・ママカフェ「wacca」は月2回、キムマー（Kim Ma）通り付近にある山本さん宅とタイホー（Tay Ho）区の坂本さん宅で交互に、10時～11時30分で開催している。

「基本的にはママと子どもの自己紹介から始まり、絵本を読むなどちょっとした遊びを入れた後、ウォータークッションやトランポリンといったおもちゃを手作りで制作したり、息抜きにお茶を楽しんだりもしています。ママが安心して参加できるように無料で開催しています」と山本さん。

　坂本さんは、「悩みを1人で抱えるママは多いです。指しゃぶりが心配なママには一言、幼稚園まで続くから大丈夫だよと伝えただけで安堵の様子を見せる方もいます。この会はママのための場所。1人よりも仲間といた方が絶対に楽しいので、気軽に参加してほしいですね」と語る。

　ママカフェの開催を続けていると、うれしい出来事もあった。

「参加したママたちが一緒にランチをしている姿を見かけたことがあります。会をきっかけに交流が広がって、私たちのゴールはここだねって、2人で本当に喜びました」
　今後は活動の場を広げて、遠足やお出かけ、どこか場所を借りてワークショップなども開催できるようにしたいと話す。

「昔の日本は井戸端会議が活発で、子育て方法は自然と伝承されていました。でも今は学ぶ時代です。私たちと悩みを共有してアドバイスを出し合いながら、子育てを一緒に楽しんでいきましょう！」

Information

山本沙織やまもとさおり（写真左）

兵庫県豊岡市出身。夫のハノイ駐在に帯同し、現在は主婦。将来は子育て心理カウンセラーになるのが夢。坂本美希さかもとみき（写真右）京都府京都市出身。元保育士の主婦。自身の経験を生かし、今後も子育てに関するサポートを行っていきたいと話す。

Instagram: @wacca.hanoi
https://waccainhanoi.hatenablog.com