メディカルトーク 親知らずが原因で起こる「智歯周囲炎」 歯科検診とクリーニングで事前予防を

メディカルトーク

症例

20代男性。数年前より右下の親知らずがたまに痛むが、放置していた。今回は歯肉が大きく腫れ、痛みも強いため来院。抗生物質と痛み止めの処方、局所の洗浄後、急性症状が落ち着くのを待ち抜歯。

親知らず周囲から炎症が広がり、 悪化すると発熱や喉の痛みも

智歯周囲炎とは親知らずの周囲の歯肉の炎症です。親知らずが真っすぐ生えていなかったり、ブラッシングが奥まで届いておらず汚れが溜まったり、こういったことが原因で炎症を引き起こします。特に、疲労が溜まっているときや風邪を引いているときなど、抵抗力が低下している状態のときは智歯周囲炎が起こりやすくなるので注意が必要です。 症状としては、親知らずの歯の周辺の痛み、歯肉の腫れ、排膿、発熱などが主として挙げられます。痛みは歯肉の違和感から始まり、進行するとズキズキとした強い鈍痛が続きます。頬が腫れて微熱が出ることもあります。悪化すると、唾を飲み込むのさえ難しくなる場合もあります。

腫れや痛みがひどくなる前に、 あらかじめ抜歯してしまうのも手

治療はまず急性症状を抑えるための抗生物質の投与と、痛みの軽減のための痛み止めの投与から始まります。そして、局所を洗浄し、安静を保って様子を見ます。腫れや痛みなどの急性症状が消失後、ほとんどのケースで抜歯となります。 予防方法としては、定期的な歯科検診やクリーニング、ブラッシング指導を受けることが有効でしょう。また、真っ直ぐに生えていない親知らずは、炎症などの症状が出てしまう前にあらかじめ抜いてしまうのも1つの手段です。ベトナムの気温は高く、日焼けや疲れなどで抵抗力が落ちやすいため、普段から規則的で健康的なライフスタイルを心がけることも重要かつ有効といえるでしょう。
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