29屋的　越南食卓 ／第25回

料理は心！ 意中の人を射止めるには 男女ともに、何を作るべき？

ベタな手段ではあるが、手料理をご馳走するというのは、恋の駆け引きの手段としてなかなか強力なものであることは、論を待たない。男女ともに、家庭的なところをアピールできるのみならず、空腹→満腹は血糖値が低いところから高いところに上がって幸福感が増す時間と空間を共有することで、親密度が急上昇するからである。 「僕のために、毎朝味噌汁を作ってください」的なプロポーズの文句も、夫婦共働きが当たり前の21世紀。さらには外食＆テイクアウトが、日本よりもはるかに身近なために、一歩間違えれば「なんで、そんなに、朝からメンドクサイ事させるつもりなんだ、この男？？？」と要らぬ誤解と疑念を招きかねない、ベトナム暮らし。今現在、結婚前提の大切なパートナーがいらっしゃるのであれば、朝な夜なの食事に対する心配りや考え方を常日頃見ることで、「今後、共に暮らせるチームメイトになり得るか？」それとも、「たまに非日常の付き合いを楽しむのがちょうどいいのか？」を計る試金石として、日々細かな「気づき」を積み重ねさせてくれる。 具体的に、「何を作るか？」ということについて。日本人同士でさえも、赤の他人同士ギャップがあって当然。ましてや、日越カップルともなると、そりゃ、育ってきた環境がチガウから価値観はイナメナイのである。とにかく自分の勝負ダマを、渾身の力でど真ん中にぶち込むべし。小細工抜きの全力勝負を評価してくれない相手など、アナタが愛する価値などないのである。たぶん。まあ、今月も、適当にガッツ！

【今月の言葉】食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム事情を踏まえて食卓にまつわる小ネタに切り込みます！