29屋的　越南食卓 ／第23回

酒は呑んでも、呑まれるな！？ 越南式「乾杯」で生き残るには

南の越の国ベトナム。さらに、旧ソ連から学んだであろう、ウォッカ一気飲みバトルが必ず伴う、男らしい商談スタイル。とどめに、東南アジアの快楽主義的南国酔っ払い大歓迎のライフスタイル。これだけの条件が整う国の人々に、飲酒の害を説いたり、節度ある酔い方を求めても、うまくはいかないもの。 かといって、郷に入りては何とやらで、いちいち乾杯を受けて立っていては、胃腸と肝臓がもたないし、何より尾崎豊ばりに路上に這いつくばるような酔い方を晒していては日本人としての美意識にも反しまくるし、目覚めたときにスマホと財布と眼鏡ぐらいは無くなっているはず。よって、ベトナム式の宴席に臨むならば、防御策を講じて生き残りを考えねばならない。 では、具体的にいったいどうすればいいのか？　①すきっ腹で呑まない。空っぽの胃にアルコールの直撃は危険　②乾杯用のビールは氷入りで！　量もごまかせるし、アルコール濃度も薄まる　③一気飲み攻撃は、タイマンを張るのではなく、テーブル全員を巻き込んで回数を少なくするべし。多勢に無勢は勝ち目無し　④乾杯の「言い出しっぺ」には、必ず責任をとらせて自分のグラスを100％呑ませること。逃がすなかれ。 そして、何よりも「体調や、宴席の重要性を計算し、絶対に無理をしないこと」につきる。旧正ガッツ！

【今月の言葉】食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム事情を踏まえて食卓にまつわる小ネタに切り込みます！