29屋的　越南食卓 ／第21回

いよいよ年の瀬！　南国ベトナムで クリスマスやお正月は楽しめる？

以前、日本人補習校に通う我が子の宿題を見ていたときの話。算数の問題で「こたつの上にみかんが何個あって、何個食べたら、残りは何個？」的な引き算の文章門題を前に延々10分ほど悩んでいた息子を見て、（もしかしてうちの子は、１桁の引き算もできないくらい、学習が遅れているのか…？）と内心の焦燥を押し隠しながら、わからないことがあったら正直にパパに言ってみな？　と優しく尋ねてみたところ、「パパ、『こたつ』って何？」と、日本生まれの父が予想だにしなかった疑問点が返ってきてビックリしたことがある。 四季のあるハノイでさえも、雪が積もってトナカイがソリを引くには程遠い。街を練り歩く、バイトサンタは汗みずく。そう、季節感がない！！ というか、人口の約7％がカトリック教徒であるという、ここベトナム。日本同様、聖人の生誕をガチで厳かに祝う人は少数派。飲めや歌えや食えやの商業主義全開どんちゃん騒ぎで、外食産業にとって稼ぎ時のボーナスタイム感がある、南国のクリスマス。 とはいえ、クリスマス＆陽暦正月を乗り越えると、１年で一番過ごしやすく、果物や食べ物も美味い、ベトナム正月のテトは、すぐそこに来ている。 零細自営業としては、賞与の資金繰りに頭を悩ませつつ、日々過ごしやすくなる気候と、それにつれて少しずつ旬を迎える野菜や肉魚の旨みを味わいながら、マンネリに陥りがちのニホンジン的五感＆六根を清浄に保とうではないですか。2019年もガッツ！

【今月の言葉】食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム事情を踏まえて食卓にまつわる小ネタに切り込みます！