29屋的　越南食卓 ／第15回

朝からよく食べるベトナム人に学ぶ？ 朝食抜き信仰の是非について

Fast（断食）をBreak（破る）からこそ“Break Fast（朝食）”だ。日本人ならゴハンと味噌汁。アメリカ人ならベーコンエッグとトースト。フランス人ならカフェオレとクロワッサン。中国人なら豆乳か、お粥といった具合に、それぞれの国や民族で定番の朝食メニューというのが不文律として定着しているものである。東南アジアの中でも特にメシの旨いことで知られる、ここベトナムにおいて、朝食と言えば何といっても年々日本でも知名度が高くなってきているフォーなどの米麺。炭火で焼いた豚肉を砕けたゴハンの上に載せたコムタム。モチモチのフランスパンにチャーシューやパテ、野菜など思い思いの具を挟んだバゲットサンドのバインミーなど、安くて美味くて腹持ちの良い朝食メニューに事欠かない。 よく、ダイエッターを自称する人が、「朝から胃腸に負担与えたり、血糖値上げ過ぎると良くないから、私朝ごはん食べないのー」などとのたまっているのを耳にすることがあるが、寝起きのぼーっとした頭で午前中仕事でミスを連発して、待ちに待った昼飯で朝昼相当の2食分をドカ食いするのは、はたしてダイエットによろしいのだろうか？　と、3食きちんと食べながらダイエットに成功した元デブの私としては内心思ってしまうのである。 悪いこと言わないから、炭水化物とたんぱく質とミネラルをバランスよく、あんまり食い過ぎない＆胸やけしない程度に、きちんと朝は食べた方がいいんじゃね？　と思う今日この頃である。今月も、ガッツ！

【今月の言葉】食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム事情を踏まえて食卓にまつわる小ネタに切り込みます！