人生相談29屋にきけ！フォ!!!! ／第26回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q.「誘いを断り続けた結果、声がかからなくなり、それはそれで淋しい…」

ペンネーム：五家宝は故郷の味　 ♀　36歳：ベトナム在住8年目

29屋さん、きいてください。私はもともと人付き合いがうまい方ではなく、よっぽどのことがない限り飲み会などには行きません。最近では、若い日本人グループからは「どうせ誘っても来てくれない」的な感じで、声がまったくかからなくなりました。参加しても、気を遣われて変な空気になるのが嫌なので、あんまり行く気もないのですが、それはそれで淋しく、気持ちを整理しかねています。どうすればいいでしょうか？

A.「貴女が若者たちを門前払いしているうちは、仲間になどなれやしません」

荘子の達生篇にある「木鶏（もっけい）」のエピソード。ある王様が、最強の闘鶏を育てると評判の名人に自分の鶏を預け、10日毎に様子を聞くと、10日目「空威張りばっかりでダメ」→20日目「相手の姿を見ると興奮しすぎてダメ」→30日目「強いけど相手を見下し過ぎてダメ」→40日目「何事にも動じない、木彫りの鶏＝木鶏みたいな風格！　OK！」という経過を経て太鼓判をもらったそうです。貴女の目には、おのれと比べるとベトナムでの在住歴も浅く、仕事の技術や経験も劣る日本の若者たちは、「いやー、別に何話していいか分からないし、一緒にいても気を遣わせるだけだし」と、共に語るに足らない相手に映るかもしれません。しかし、悪気はなくとも、それは無意識のうちに相手を食わず嫌いしコミュニケ－ションを門前払いしていることになります。たぶん貴女は、ベトナム人の知人や同僚から食事やパーティーの誘いを受けたりしたら、行くにせよ、行かないにせよ、もうちょっと気軽に笑顔で応対しているのではないでしょうか。でなきゃ、とっくにベトナム人から偏屈な外人扱いをされて煙たがられていると思うので。結局のところ、貴女自身に木鶏のごとき不動心と充足感があれば、無用の疎外感も居心地の悪さも感じることはないはずです。貴女が若い衆と同じテンションで騒ぐ必要は毛頭なく、アネゴ的なポジションにも必ず需要があります。ガッツです！