
症例
3歳男児。ふくらはぎを虫に刺されたが、特に気にせずそのままにしていた。3日後、虫に刺されたところと膝の裏がじくじくしてきて、慌てて受診。抗生物質の内服、外用剤を処方され、じくじくは数日で乾いて治った。
今回のドクター
尾野大洋医師/ロータスクリニック
① 乳幼児期に多い皮膚の感染症
「とびひ」とは俗名で、正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。細菌による皮膚の感染症で、ブドウ球菌や溶連菌などが原因菌です。皮膚の弱い乳幼児・小児に多く、接触によって感染し、火事の飛び火のようにあっという間に広がることから「とびひ」 と呼ばれています。
② とびひ感染のメカニズムって?
原因菌の黄色ブドウ球菌は、表皮剥脱毒素という毒素を作り、皮膚と皮膚をつなぐ構造物を壊してしまうため、体液が染み出てじくじくします。虫さされやあせも、擦り傷の部位をひっ掻いて、感染を起こすことが多いです。
③ 指や搔いた場所から広がっていく
掻き壊した湿疹の周りに小さな水ぶくれができます。水ぶくれは簡単に破れ、じくじくとただれます。ただれた面からしみ出てくる液(浸出液)に毒素が含まれているので、その周囲や指に付着し、広がっていきます。
④ じくじくしたら病院を受診して治療を
抗生物質の軟膏を塗って、全体をガーゼで覆い、1日に1~2回取り替えます。通常は抗菌薬内服の併用が必要です。とびひはかゆみが強いので、抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)を内服すると、広がりを抑える助けになります。
⑤ 皮膚を清潔にすることが大切です!
予防には、日頃からシャワー浴・手洗いをして、爪は短く切りましょう。虫刺されや湿疹がじくじくしてきたら、病院を受診してください。とびひにかかっても、シャワー浴をして、泡立てたせっけんで病変部を丁寧に洗い流します。浸出液が周囲に接触しないよう、外出時は、ガーゼなどで保護することが必要です。