人生相談29屋にきけ！フォ!!!! ／第11回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q.「毎日が無礼講!?　酒ぐせが悪い歳上の部下をどう扱ったらいいのか（悩）」

ペンネーム：ワンルームファイター　♀　31歳

聞いてください、29屋さん。うちの部署は外回りの営業で、お客さんと会食をする機会が多いのですが、最近私の部下として配属された、歳上の日本人男性社員のことで少し悩んでいます。彼は普段、ものすごく人あたりもよく、おとなしい人なのですが、少しでもお酒が入ると徐々に口調が乱暴になり、相手がお客さんだろうが誰だろうが、けっこう失礼なことを言ったりして、フォローが大変です。本人はあまり気にしてないようですが、どうすればよいでしょうか？

A.「酒に呑まれても、トータルで帳尻が合っていればＯＫ。ただし、自己責任」

中国流の宴席外交と、ロシア流の呑んだくれマッチョイズムに、東南アジア流ののんびり楽園スタイルが合わさって、飲酒と酔っ払いには寛容な観のあるベトナムのビジネス社会。一見、みんながみんな、だらしなく酔いつぶれているかのように見えますが、さにあらず。よーく観察してみると、ひとかどのビジネスマンや風流人たちは、日本の「オトナ」な社会人同様、決して酔っ払ってだらしない姿＝弱みをさらすことはありません。そのあたり、「酒の上の醜態は無礼講」的な日本よりも、常に歴史上、強者の前で油断のならない暮らしを送ってきたベトナムの人の方が、はるかにシビアなように思えます。貴女の部下氏の場合、一見、酒を呑んだ上での、横山ヤスシ的な「にわか番長」ぶりが面白がられているように見えますが、かなり危ない綱渡りであることは事実です。酒を呑まないとできない大言壮語やケンカ腰など、ただの傍迷惑でしかないし、仕事や人間関係の本質的な改善にはつながりません。他人から「しょーがねーなぁ」と、内心苦笑されているうちはまだマシですが、行き過ぎると物損や暴行で弁償や賠償をする破目になり、最悪の場合は国外退去の可能性もあるのですから、ときには無粋を顧みず、厳戒を以って臨んでもやり過ぎではないと私は思います。

船酔いをしても、軍艦の上で闘えれば、無問題!

ナポレオンを破ったことで知られる英海軍のネルソン提督は、先天的な三半規管の異常で、船に乗ると必ずといっていいほど船酔いをしたそうです。それでも祖国を救うほどの大仕事をやってのけた。ならば、我々、ベトナムに生きる日本人たちも、たとえ酔いつぶれるとしても、自分の安全確保＆仕事の責任を果たした上で、計算深く、余力を残しながら醜態をさらすべきでしょう。ガッツです。