人生相談29屋にきけ！フォ!!!! ／第02回

29屋（にくや） 食材＆弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「愛と勇気とほんの少しのお金」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム暮らしのさまざまな悩みをバッサリ解決（！？）します！

Q.「わがまま＆グルメ自慢！　上司や来客とのメシに付き合うのが苦痛」

ペンネーム：恥知らずのパール・ジャム　26歳♂在ベトナム歴2年

私は、とある中小メーカーの駐在員です。最近、新しく赴任してきた上司や来客と、ほぼ毎食、一緒に飯を食っているのですが、正直キツイです。知る限りの、色々な店に連れていっても、「サービスがなっちゃいない」だの「こんな料理でこの値段とるのか？」など、文句ばかりだし、「ヨーロッパのどこどこで食べた、あれはおいしかった」だの過去に自分が食べたものの自慢ばかりで、一緒に飲んでいても楽しくありません。どうすればよいのでしょうか？

A.「貴男自身の話術とコミュ力に、引き出し＆思いやりがないのも一因です」＋面白い話を他人から聞きたいのならば。

昔、テレビの番組で、ある芸人さんが「キャバクラに呑みに行くと、おねえちゃんに『何か面白い話して～』って言われるんやけど、何で俺が金払っておまえにサービスせなあかんねん！？」とボヤいていたのを思い出しましたが、貴男の場合も、それに似た話のように、おっさんの世代の一人としては感じてしまいます。古来、「アフター５の飲みニケーション」なる体育会の伝統を是としてきた日本のサラリーマン道ですが、公私の区別をきっちり分ける観念が若い人を中心に広まってきている昨今。ましてや、お金と時間に余裕のある海外駐在生活。仕事がらみの気まずいメシよりは、毎晩どこかで開催されている仲間内の飲み会に、一秒でも早く駆けつけたくなる気持ちも、わからないでもありません。しかし、貴男自身が「つまらない」オーラを心の底に抱えながら、他人に楽しい空気作りを求めるとは、受身にも程があるってものでしょう。

情けは人のためならず

たとえ相手がどれほど気難しくとも、スノッブでも。かつて、貴男が、ベトナム生活の「先輩」たちから有形無形の手助けを受けて一人前になったように、今度は貴男が「後輩」たちの不安と不満を和らげる手伝いをし、狭い世間に少しだけでも潤いを与えましょう。まずは、貴男自身、話術とプロの仕事力を磨き、異世代・異業種・異民族相手でも、十分に座が持つだけの「コミュ力」を身につける努力をしてはいかがでしょうか？　分不相応な背伸びをする必要はありませんが、異なる価値観の人とガッツで交わってみるのは、今は時間の無駄に思えるでしょうけれど、長い目では良い「男」の修行になりますよ、きっと。