29屋的越南恋愛コラム／遠距離→氷河期、失恋待ちetc。／強奪愛にも最低限のルールあり？／第34回

隣の芝生は、青く見える？　だけではなく…

好きになった人に、すでに恋人がいたら？　古今東西、こういうシチュエーションは、当事者にとっても燃え上がるし、傍観者から見ても格好な娯楽の種とされている。「誰かの恋人である」ということは、すでにその人は、誰かを愛し、愛されるだけのバイタリティと魅力を、まがりなりにもすでに備えている、優良物件。ほかの誰かが、好きになってしまうほどの人を、メシと仕事と恋愛ぐらいしか楽しみのないベトナム暮らしの善男善女（つまり、あなたのこと）が好きになってしまったとしても、それはキューピッドの悪戯のせいなのだろう、たぶん。　諦めるか？　奪うか？　滅茶苦茶にするか？　あなたがどうするにしても、成否を別に、ひとつだけ気を付けなければならない。それは、「汚い手を使って手に入れたモノは、同じ手を使う他人に奪われても仕方がない」ということだ。

兵に詭道なし、恋にルールなし、とは言えど

サムライの時代から日本男子のバイブルとして読まれてきた『三国志』。政治的な観点でこの物語を俯瞰すると、面白いことに気がつく。それは、「『力』で天下をとった者は、さらに強い『力』によって敗れる」という法則だ。　漢帝国の秩序が崩れた乱世でのし上がってきた、価値観の違う３つの新興国：①魏「強いものが天下とるべし」、②呉「自分たちが食えて安全ならＯＫ」、③蜀「たとえ有名無実でも、伝統権威は大事にしようぜ」が存亡を賭けて戦い、最後に残ったのが「力」を絶対視していた魏…ではなく、それを上回る「力」で乗っ取った元・臣下の晋王朝だった。さらに、その晋王朝も、さらに「力」を持った臣下に追落とされ、以降中国全土を弱肉強食の修羅の国に変える五胡十六国の時代が、長きにわたって続くことになる。　負けたらゼロなんだから、汚い手を使おうが何しようが最終的に勝てばいい。こういう考え方は、身近な仕事や、世界のニュースなど、大小遠近さまざまな事象で数多く見る、残酷な世の中の真実ではある。しかし、だからといって、あなたが恋人を得る際に使用してしまって、本当にいいのだろうか？

色、金、欲がストレートすぎる、東南アジア暮らしだからこそ

人が人に何かしてもらうときには、必ず「代価」が必要である。それは、場合によっては、金銭であり、愛情であり、尊敬であり、名誉であったり、恐怖であったりする。　あなたが好きになった人に、何を求め、如何に相手に伝え、納得してもらうのか。嘘や裏切りや、安っぽい色仕掛けでオチる相手ならば、きっといずれは、ほかの誰かの同じ手に引っかかるのだろう。ガッツで、愛と真心を伝え、それを受け止めてくれる相手を、探し求めていくべきなのだ。