29屋的越南恋愛コラム／大和撫子たる者、いちいち／やきもちを妬くのは、みっともない？／第33回

やきもち妬きといえば、ベトナム女性のイメージですが

「相手にやきもちを妬かないなんて、関心がない証拠」とばかりに、夫や彼氏の行動を完全管理して已まないベトナム女性。曰く、「単独外出時には、5分おきに『今すぐ帰ってこい』の電話がかかってくる」だの、「パソコンや携帯のＳＭＳやメール、財布の中身のチェックはルーチンワーク」だの。　そんな、日本であれば「うわ～、めんどくさ！」と言われかねないレベルがデフォルト仕様と聞くと、「ベトナムの嫁さんって大変だな～」と思う人も多いかもしれないが、ホントに、それ、ベトナム女性の専売特許なのだろうか？　おしんを代名詞とするほどに、夫や彼氏のメンツを立て、詮索しないことが美徳とされている日本人女性とはいえど、ぶっちゃけた話。日本よりも金と時間に融通が利き、誘惑も少なからずあるベトナムの暮らしで、はたして１度たりとも、パートナーに対して疑心や嫉妬を抱いたことがない大和撫子は存在するのだろうか？　嫉妬・執着は、人間の心が持つ、自然な感情の一部であり、それ自体を恥じる必要はなく、コントロールを失って暴走さえしなければいいんじゃね？　と、ボクは思うのだ。

「見て見ぬふり」は、優しさなのか？

酒＆薬を愛しすぎた挙句、ラリッて階段から転げ落ちて世を去った作家・中島らもの奥さんが、彼の死後に出したメモリアル本がある。この夫婦が若き日の無職時代のエピソードが酷い。　すでに子どもも生まれて、きちんと生活を考えなければいけない状況だというのに、夫のらも氏は、同じく無職やアル中・薬中の男女を複数居候させ、あろうことか奥さん子どもがいる家で●●（自主規制。内容は想像してください）して、奥さんにもそれを強要したというロクデナシぶり。　最初のうちは「アーティストの奥さんなんだから、私も、世間常識に縛られずにがんばらなきゃ」と、無駄な方向にガッツを発揮していた奥さんも、夫の傍若無人な乱行がエスカレートするにつれ、さすがに笑っていられなくなっていく。愛人との戦いや、闘病、ＤＶや精神的虐待。壮絶な夫婦生活を、「気づかないふり」で乗り切ったようだ。　結局のところ、「相手を尊敬＆信頼する」という美名のもとに、「戦い」を避け続け、相手を甘やかした挙句堕落させてしまったわけで、それは、相手に対する愛ではなく、自分自身を護るための「鎧」ではないだろうか？　誰だって「やきもちを妬くヒス女房」でいるよりは、「だまされている天然ちゃん」を装った方が、楽だろう。でも、その偽りの平和は、はたして長く続くものだろうか？　傍から見ても決して美しくはないし、内心バカにされているだけなのに、である。　もしも貴女が、パートナーに対して不安や嫉妬の欠片を抱いているのであれば、相手を信用して、率直に穏やかにぶつけてみてほしい。火遊びはボヤのうちに消すべきなのだ。