29屋的越南恋愛コラム/愛する人と「生き方」が違うことに、/気が付いてしまったら/第31回

「どこまでもついていく」と、 決めていたはずなのに…

唐代の詩人白楽天が、玄宗皇帝と楊貴妃の恋を謳った『長恨歌』の作中に、「比翼連理(ひよくれんり)」という言葉がある。「比翼」とは翼が片一方しかない鳥で、相方(=恋人)と一緒に力を合わせないと飛ぶことができない、架空の生き物。「連理」とは、地面から生えた2本の枝が絡まりあってくっついて、1本になってしまったような状態の植物。つまり、どちらの言葉も、平たく言えば「いつも一緒の仲良しカップル」という状態を表しているのであるが、あくまでこれはポエムの話。   実際問題、どれほど仲のいいラブラブモードのカップルであったとしても、365日×24時間、常に一緒にいられるわけではない。現実の生活において、男女それぞれに仕事や趣味、別々の付き合いはあるし、たまには1人で考えたいときもあるだろう。それを無理やり「比翼連理」しようとすると、必ずどちらかにしわ寄せがいくことになる。   日本と比べたら比較的時間に余裕があり、街が小さくて距離も近い、当地ベトナムでの生活。とはいえ、数年前と比べて、仕事や余暇の過ごし方も変わってきており、朝から晩まで仕事をしなければいけない人もあれば、オールナイトで遊んでもかまわない自由業っぽい人もいる。   恋人同士、生活リズムが違うこともあるし、すれ違いだって出てくる。結果、日本でも使い古されたセリフ「仕事(趣味)と、私と、どっちが大事なの!?」という、男にとって「それを言っちゃあオシマイよ」的な「無理難題」をたたきつけられると、別離へのカウントダウンが始まってしまう。かといって、ぐっと我慢しても、いずれは爆発しかねない。ならば、何とする、その心?

ダルビッシュの元嫁と 田中マー君の嫁の違いに学べ

日本が誇る2人の大投手ダルビッシュと田中マー君。2人とも嫁さんは芸能界出身という共通項がありつつ、かたや悪妻、かたや良妻の見本のような報道のされ方をしている。男女の仲で本当に何があったかなど、当人同士にしか分からないので、誰がどうしたという下世話な勘繰りをしたいわけではない。前者は、少なくとも、「自分の生き方・やりたいこと」を選んだわけで、後者は「夫の夢を、自分の夢にし、共に苦労する覚悟を決めた」ということ。どちらにしても、やり抜くための相当なガッツが必要な話ではないか。   考えてもみれば、玄宗皇帝ほどの絶対権力者でも、結果的に、現実を捨てて恋のみには生きられなかった。21世紀の庶民である我々が金やヒマにあかせて、どうにかできる問題ではない。科学技術は進歩しても、人間の心は唐の時代から比べて、それほど強くも賢くもなっていないのだ。   別れるにせよ、苦労を共にするにせよ、愛しあった時間があったことだけは忘れないで生きようではありませんか。
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
関連記事
Related Articles
ゆるく、楽しく、気軽にフットサルサイゴン蹴球部
2024.10.20

ゆるく、楽しく、気軽にフットサルサイゴン蹴球部

会員急増中! 和やかな卒業生会!ハノイ三田会(慶応大学同窓会)
2024.10.20

会員急増中! 和やかな卒業生会!ハノイ三田会(慶応大学同窓会)

お気軽にご連絡下さい東京都民会
2024.10.20

お気軽にご連絡下さい東京都民会

東北6県に縁のある方であれば、 どなたでも参加可能ですサイゴン東北六魂会
2024.09.20

東北6県に縁のある方であれば、 どなたでも参加可能ですサイゴン東北六魂会

集え!  東海大学卒業生! 留学生!東海大学同窓会ベトナム支部
2024.09.20

集え! 東海大学卒業生! 留学生!東海大学同窓会ベトナム支部