29屋的越南恋愛コラム／据膳食わぬは何とやら？／誘惑に負けそうな貴男、必読！／第29回

男子、一度、外に出ずれば、七人の誘惑アリ？

貴男が、それなりに人生経験を積み、家族を養うに十分な収入＆能力がある一人前の社会人だったとする。そんなオトコ盛りが、オフタイムにふと知り合ったアオザイ美人や、ピチピチ（死語）の大和ナデシコ、もしくは小悪魔系ギャルから、「あら、デップチャイ（＝美男）ね～」とばかりに、満更でもない媚態を示されたとき、はたして一切の未練なく、完全に「スルー」することは可能なのであろうか？　オトコのストライクゾーンというのは女性が考えている以上に広く、節操がない。　言い寄ってくる女性のルックスや性格が「残念」な場合とか、「金目当ての魂胆が露骨過ぎる」でない限り、オトコの本能としては「モテないより、モテたほうが嬉しい」もの。たとえ、どれほど精神力と理性と家族愛が強いサムライ男子であろうとも、それとこれとは別腹。毎日が大小さまざまなストレス＆バトルのベトナム生活。寂しいとき、疲れたとき、退屈なときに、己の能力・魅力・価値を認め＆褒めてくれる女子を内心憎からず思ったとして、誰がそれを責められようか？　　とはいえ、恋は、路傍の花。家族や仕事を捨ててまでのめりこんで良い道理がないのは、いちいち他人に言われなくとも本人が一番わかっているはず。なのに、それでも実際に「一線」を越え、恋に狂って身を滅ぼす御仁の、なんと多きことか。 「一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の国を傾く」 古来、「傾城（けいせい）・傾国（けいこく）」と言う言葉がある。『漢書・外夷伝』に曰く。城砦を守る将軍や、一国の王様を、その美貌でふにゃふにゃの骨抜きにしてしまえるほどの絶世の美人のことである。　歴史上、殷の紂王をたらしこんだ妲己、呂布を裏切りに疾らせた貂蝉、玄宗皇帝を狂わせた楊貴妃など、いくらでも好例がある。　このコラムをお読みの皆様方のうち、将軍や王様がどれぐらいいるのかはともかく、会社や家庭を「一国一城」とカウントした場合、当地ベトナムで暮らす日本人男子読者の中には、会社や家庭の大黒柱として、それなりの立場にある人は少なくないはず。割り切った遊びのはずが、気がついたら制御不能の大火災になるのが火遊びと言うものだ。現実的で賢明な女は愚かな男に騙されることはないが、どれほど賢明な男でも愚かで美しい女に操られることはあるのだから、己の自制心を過信することなかれ。　美人や若い女子は、問答無用で、オトコの心を動かす魅力を天性として備えていることを心に留め、「あ、俺、今、ヤバイな」と自分の心の異常を自覚した上で、ガッツな寸止め＆峰撃ちを楽しむべきではないだろうか。　尚、このコラムを真に受けてエライことになっちゃったとしても、筆者と本誌は一切関知しないので、がんばってね（適当）。