こどもの学び舎／⑳週に1度、まじめに／心を込めて、教室のお掃除!

　毎週土曜の午後に行われる「掃除の時間」。毎日、多くの子どもたちで賑わう施設も、この時間だけは落ち着いた雰囲気だ。全生徒およそ400人のうち、毎回7人ほどのグループが担当する。しかし、メンバーの中には小さい子たちもいるので、実際に清掃活動を行うのは5人ほど。シスターに指定された教室をほうきで掃いて、モップで水拭き、さらに洗剤を使って磨き、仕上げの水拭きまで行う。掃除当番の子どもたちの傍らには、当番から外れた施設に暮らす子どもたちがウロチョロ。清掃中に、遊びの誘惑を持ちかけてくる。まんまと誘惑に負けてしまった子は、アッという間に使っていたほうきを遊び道具に変えて、チャンバラごっこを開始。しかし、そんな姿を気にせず掃除に取り組む、周りの子どもたちの影響からか、チャンバラをして遊んでいた子も、再び真剣な顔つきに変わり、パッパッと掃き掃除を始めていた。「多くの子が掃除をすることは自分の責任、義務だと理解し、何も言わなくても自ら進んで行ってくれています」とシスターが言うようにテキパキと動く子どもたち。なかでも、まじめに掃除に取り組むミン（Mhin）君に、清掃について尋ねると「きれいになるのはいいけど、掃除は…好きじゃないよ」と、周りをチラチラ見てシスターに聞こえないように、口を濁して答えた。いつも元気いっぱいに勉強し、遊んでいる子どもたちだが、今回はまじめな一面に出会えた。