ベトナムの新労働法における労働者の権利

ベトナム人は一般に勤勉とされます。出産間近まで大きなおなかで働く女性も珍しくありません。祝日は少なく、ベトナム人労働者の実質的な賃金は数字上よりも割安だとの意見もあります。 しかし現場では、インフレと賃金の不均衡を主因とするストライキ、より良い給与を求めた高頻度の転職、会社への帰属意識の低さといった、日系企業の悩みが散見されます。   では、不満を抱えた労働者側には何ができるのでしょうか。ベトナムではこれまで労働者の集団交渉権が制限的であり、労使間で労働条件等を合意する集団的労働協約の制度が法定されていても、そのための交渉が形骸化しているなど、学識者・国際機関等から指摘されてきました。違法ストライキ件数の増加も報告されています。   そんな中、今年施行された労働法は集団交渉の制度を導入。使用期間中の給与および夜間・時間外勤務手当も引き上げられ、産休も増加しています。今後の労使関係の動向が関心を集めるでしょう。   他方、「社員旅行を提案したら、『利益がもっと上がってからにしましょう』とベトナム人スタッフから言われて感動した」という話も聞きます。信頼関係構築のための日頃のコミュニケーション・教育が重要なようです。
岸本明美 きしもと あけみ フランスHEC経営大学院卒。日本国弁護士・ベトナム外国弁護士、CFA協会認定証券アナリスト。DFDLホーチミンオフィス勤務。エネルギー・インフラプロジェクト関連、M&A等のクロスボーダー案件を中心に担当。
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