29屋的越南恋愛コラム／大胆orバカ？　狭い世間で／二股を掛ける遊び人たち／第26回

「おまえ、俺が出張中に、どこで誰と呑んでたんだよ（怒）！？」

ずいぶんと広がってきてはいるものの、まだまだ狭い、ベトナムの日本人社会。お忍びのつもりで穴場に出かけたデートが「知り合いの知り合い」ぐらいには見つかっていたりするほどに、喰う・寝る・遊ぶ・住む所に選択肢がないのは哀しいところ。よりにもよって、狭すぎるコミュニティで、堂々と「二股」をかける日本人が、少なからずいるらしい。　恋多きカルメンか、動くものには飛びついて口説くドンファンかと言わんばかりに、愛も恋もリビドーもごちゃ混ぜにして本能と欲情の赴くままに突っ走る様は、まさにブレーキが壊れっぱなしの暴走機関車の如し。　しかも、うらやま・・げふんっげふんっ（咳払）…けしからんことに、この手の遊び人は、なかなかの「モテぢから」を兼ね備えている男女が多い。それほど努力をしなくとも「獲物」が勝手によってくるので、本人に悪気がなくとも、ついつい結果が極悪になるケースもあるという。　だが、やはり、閉鎖社会において、イスラム教徒か戦国大名でもないのに、一夫多妻を目指す、だと？　というか、「おまえだけやで～」、「あなただけよ～」とウソをこいて、永遠に相手にバレないと思っているならば明らかに知恵が足りない。または、「イヤならバイバイ」というのでは、愛情が足りない。それでも、尚、このような嫉妬と裏切りの花いちもんめが夜な夜な繰り広げられ、風中の木葉の如く翻弄される悲喜こもごもな善男善女が後を絶たないのは、いったいぜんたい、どういうわけなのだろうか？ 「脱出っ！」が簡単すぎる環境だからこそ… 大昔の特撮番組『ウルトラマンタロウ』に出てくる地球防衛軍ＺＡＴの戦闘機。怪獣相手に出動すると、ほぼ１００％の確率でやられてしまい、市街地だろうが工場地帯だろうが、おかまいなしにコクピットから「脱出っ！」。一機何十億もするだろう機体をほいほい墜落させ、被害も拡大。酷いときには、「怪獣のよだれで窓が汚れて外が見えない」程度で「脱出っ！」。何と言う無責任！　ある意味、怪獣よりもタチの悪い組織であったと言える。　翻って、当地の遊び人たちの最終兵器。それも、最悪の場合、「脱出っ！」で日本に帰るなり、違う国への高飛び。あるいは、数ヶ月か長くても１年だけ息を潜めて、日本人コミュニティの入れ替わりを待てばよい。　だからこそ、日本であれば住む街や会社を追われかねないぐらいの「危険なチャレンジ」も、南国の昂揚感に任せて、コンビニ弁当の新メニューを試すぐらいの気軽さで行われるのではないだろうか？　　だからこそ、「獲物側」の人たちは、「自分に恋愛の免疫がないこと」か「異国暮らしの寂しさで『落城』しやすい自分」を、ガッツで自覚＆警戒するべきではなかろうか。